iPod 用動画

敵に勝つには、敵を良く知らなければならない。
何故 iPod 用の「スムーズ再生」と「激重音ズレ」のMP4ファイルがあるのだろう。
QuickTime Player でファイル情報を調べてみると、「スムーズ再生」のビデオコーデックは MPEG-4 で音声が AAC 形式、「激重音ズレ」のビデオコーデックは H.264 で音声が AAC 形式。大きく違うのは MPEG-4H.264 ということだけだ。
 
更に検証するために、iPod 用の動画を作ってみることにする。
一般的には QuickTime を使用するらしいが、ちょっと前に QuickTime + QTConverter で動画をエンコードしたときに、動画の長さの10倍もの時間がかかり、あまりにも実用から外れて過ぎて使えないことに呆れて果てた経験があるので、別のエンコーダーを探す。
ちょうど「携帯動画変換君」iPod 用動画に対応したということなので、早速試してみる。
まず、標準のiPod 用設定でエンコしたものを Zaurus SL-C760 の ZPlayer で再生してみる。

○ AVC QVGA/長時間(192kbps)-------------------------H.264

ちょっと画質は荒いが、スムーズに再生された。

○ AVC QVGA/標準画質(384kbps)-----------------------H.264

激重音ズレ状況に陥る。

○ AVC QVGA/高画質(600kbps)-------------------------H.264

これも当然もっと激重音ズレ。

○ MPEG4 QVGA/標準画質(768kbps)/29.97fps 高速変換---MPEG4

画質も綺麗で、スムーズに再生。

○ MPEG4 544x416/最高画質(2000kbps)-----------------MPEG4

フルスクリーンにはならず、一番再生が重かった。
これが iPod で再生できるなら、iPod って動画再生性能が結構優れているんじゃないか..。とはいえ、あのサイズの液晶なら意味無いけど....。

また、H.264 形式で 384kbps でも、12fps 以下なら音ズレは起こらなかった。
 
その他、iPod - MobileHackerz Knowledgebase Wiki の「MPEG4一般設定」というのも試してみる(モノラルは無視)。

QVGA標準画質15fpsステレオ(300kbps)------------------MPEG4

スムーズに再生。

QVGA高画質15fpsステレオ(600kbps)--------------------MPEG4

スムーズに再生+画質が綺麗になる。

QVGA高画質29.97fpsステレオ(850kbps)-----------------MPEG4

スムーズに再生+最も画質が良くなる。

 
以上を総括すると、
 
 ○ H.264 形式なら、12fps以下か 192kbps 以下の低画質ものしか再生できない。
 ○ MPEG-4 形式なら、ある程度の高ビットレートまで再生可能である。
 
Zaurus用動画を作るという点では、エンコードの手軽さ・速さ、ファイルサイズ、画質を総合して WindowsMediaEncoder9 エンコードに軍配が上がるので、自分で iPod 用動画を日常的に作成することはないだろう。
あくまでもポッドキャスティングの動画再生ということになり、 Zaurus SL-C760 で見ようと思うコンテンツが MPEG-4H.264 かの確認が必要である。
 
 
ところで...前回は岩手めんこいテレビのビデオポッドキャスティング番組について「ガチャダラダンTV」と書いたが、前々回は「ガチャダラポンTV」と書いていた。
何で前回と前々回と違う名称を書いたのだろうと思ったら、公式ページや iTunes の項目には「ガチャダラポンTV」と書いてあり、ダウンロード後のファイル名が「ガチャダラダンTV」となっていた....。
発信者側が間違えているんじゃないか....ぉぃ。