告別

朝、7時まで眠ってしまった。起きてすぐに礼服に着替えて朝食を食べる。告別式は9時なので、ボーッとする暇も無くすぐに式典が始まった。式場を見ると、昨日来なかった上司、そして転職した元上司が二人も駆けつけて来てくれていた。うれしい。土曜日なのに、感謝感謝。
読経が終わり、ヒロタンの挨拶で締め、親族だけで棺の中に花を添えていく。これでじぃちゃんの肉体とお別れかと思うと...今まで飄々としていたみぃたんの目からも涙がこぼれていた。
バスに乗り、火葬場へ。外に出ると雨が降っていて強い風が吹いている。空もじぃちゃんとの別れを悲しんでいるようだ。
火葬場に着き、バスから降りる。そして号泣する皆の前で、棺はとうとう炉の中へ消えていった。
待合室で食事をしながら待つこと1時間半。インターフォンが鳴って骨上げの場へ案内される。骨になったじぃちゃんを見て絶句。骨上げには何度か立ち会っているが...いつも何とも言えない感覚にとらわれる。そらは壁面に立ち、顔をこわばらせて台車に近付かない。みぃたんは親戚のおばさんに抱っこされて箸を持たされるが、泣いて拒否していた。彼らにとって初めて直に目にする人の骨。悲しさと怖さなどが入り交じっているのだろうな。
最初の数回は縁が近いもので箸渡し、そして骨を砕きながら皆で骨壷にいれていく。しかし途中で骨壷に納まりそうもなくなったので、担当の職員に促されて骨箱の四隅にも砕きながら入れていく。最後は頭の骨を被せるように入れる。担当の職員は丁寧に頭蓋を拾骨し、残っていた骨も丁寧に拾骨してくれた。こういう丁寧な扱いはうれしい。
バスで会場に戻り還骨勧行の読経。ヒロタンの挨拶の後、食膳の包みと忌中引、通夜に撮った親族写真を手渡して、親族の方々とお別れ。
あーちゃんや嫁さん達はバスに乗るので、デミオに乗って人足早く家に帰り、カーテンを開け、葬儀空き巣防止のために夜通し就けておいた電気やテレビを消してバスを待つ。約十数分後にバスが着き、葬備品や供物の花・缶詰・果物等を運び、ベルコさんが四十九日までの仮祭壇を組み立て終わって、いざ位牌と骨箱をおく時...ない...位牌と骨箱がない!!!バスに乗る直前の葬儀関係の支払い清算時、会場の打合せ室に置いたまま忘れてきてしまったらしい...。ヒロタンが車を出し、ベルコの担当者と急いで迎えに行く。やっとじぃちゃんが到着し、皆で謝って線香をあげる。じぃちゃんごめんね...。
それから皆で談笑しながら過ごす。そらは「あーちゃんが寂しくなくなるまで、あーちゃん家に泊まる!」と宣言する。やさしいね。
夜、ヒロタンは家に戻り、居間に布団を敷き詰めて、皆で枕を並べてじぃちゃんと一緒に眠る。