それでも時は流れていく

朝起きる。じぃちゃんは祭壇にいる。やはり夢ではない。皆、まだじぃちゃんがもういないという実感が沸かない。
空は今日も雨と強風で荒れている。
午前中、ヒロタンとユウちゃんがやってきて、子供たちは元気に遊び始める。大人たちは、お墓のリフォーム、仏壇、年金、預貯金通帳、家や土地、車等々、今後の名義変更や手続きなどについて打ち合わせをしたり、昔話をしたり。
家族が一人いなくなっても、時は普段と変わらず穏やかに流れていく。そういうものなのかとも、無情にも思える。
子供たちも、じぃちゃんの祭壇の前で線香をあげている。正座をして神妙に拝んでいる小さな背中はとてもかわいい。
今日も夜は居間に布団を敷き詰め、皆でじぃちゃんの側で眠る。